届かなかった手紙
「なんか卒業じゃないのに・・・、失うものがある気がするよね。」
「わかる!ウチらだけの教室だったのに、新入生が使っちゃうの。
なんか寂しくなるね。」
なんて会話、交わしたっけ。
麻奈と2人で残った教室は、夕焼け色に染まってて
異様に寂しかったよね。
そして、私の涙も教室と同じ色。
相原が隣にいたときの幸せな日々を思い出して、泣いちゃって。
今でもあの時の切なさは鮮明に覚えてる。
ううん、ずっとあの頃の切なさのままなのかもしれない。
遠くから相原を見ていた日々も終わりを迎える。
後は忘れていくだけの関係。
今の相原の幸せを邪魔しちゃいけない。
そう思うけど、忘れられるのは、絶対にイヤだ。
イヤだ・・・・。