届かなかった手紙







「なんか卒業じゃないのに・・・、失うものがある気がするよね。」



「わかる!ウチらだけの教室だったのに、新入生が使っちゃうの。
なんか寂しくなるね。」




なんて会話、交わしたっけ。


麻奈と2人で残った教室は、夕焼け色に染まってて

異様に寂しかったよね。


そして、私の涙も教室と同じ色。


相原が隣にいたときの幸せな日々を思い出して、泣いちゃって。


今でもあの時の切なさは鮮明に覚えてる。


ううん、ずっとあの頃の切なさのままなのかもしれない。





遠くから相原を見ていた日々も終わりを迎える。


後は忘れていくだけの関係。


今の相原の幸せを邪魔しちゃいけない。


そう思うけど、忘れられるのは、絶対にイヤだ。



イヤだ・・・・。











< 153 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop