届かなかった手紙
「今日が最後かぁ・・・。なんか、あんま実感ないなぁ。また明日もガッコ来てそうだもん!」
「だねぇ・・・。ウチら、ガッコダルがってたけど、今思うと、もったいないかも・・・。今のウチらには、もう高校に来ることはできないのにね。」
また教室に残ろうとしたけど、聞きなれた優しい声が聞こえてきた。
相原・・・・。
その声を聞いてすぐ私達は学校を出た。
最後の日に、あの相原の笑顔を見てしまったら、きっと素敵な思い出になってしまう。
それをつくってしまったら、多分一生忘れられなくなる。
どっちみち忘れることはないだろうけど、相原をもっと好きになってしまいそうで怖かった。
校門を出る前に、最後の母校の姿を見つめた。
たくさん思い出が詰まった母校。
相原に恋して、
相原と笑って、
相原と勉強して、
相原と過ごした。
でも、もうその日々も思い出で終わらせないといけない。
ここで立ち止まってちゃいけないんだ。
これ以上私が相原の生活に踏み込む権利はない。
これで、最後だよ・・・。