届かなかった手紙



告白してから一週間がたった。


隣の席なのに少しも話しかけられなくて、なんか変な距離。


前まで交わしてた挨拶もなくなった。


私が授業中におかしいこと言っても
笑ってくれなくなった。


そして日曜日の朝。

いてもたってもいられなくて、
相原と仲の良い奈津にメールを送った。



{相原からの返事聞いてない?
一週間たったし不安で><;}




{返事、聞いてるよ?
・・・聞く?}



少し返信するのに戸惑った。

この先のことを聞いたら、私の人生は二つに分かれてる。

そう考えると重要な判断だった。

でも、私の気持ちは止まらなかった。

好きだから

愛しているから

自分の全てを捨てたっていい




大人な一人前の恋なんてできなかったけど、
人前で堂々と軽々しく
誰にでも「かっこいい」とか「好き」とかいってるのより
少しは大人だって思える。


高校生だって

本気の恋、できるんだ・・・。



そしてその気持ちは、奈津のメールに返信する勇気となった。



{ホントに?!ありがと!!

教えて欲しいよ><☆

お願いします♪}



奈津は男でも女でも
お構いなしに自分をさらけ出すいい子。


だから私は奈津を信頼していた。



緊張、不安、そして期待。


右にも左にもよらない、グラグラの天秤の上に私の気持ちは
のっかっていた。


そして、携帯のバイブが鳴る。



携帯の画面には・・・・「奈津」。



急いでメールボックスを開く。



不安・・・でももしかして・・・・!




< 16 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop