ちぐはぐ遠距離恋愛
「そう、ヤキモチ」
「そんなのしないと思うけど…」
「甘い!!」
奈緒美がまた立ち上がる。
「女子も増えるってことはライバルも増えるの!真白よりも可愛い子だって一人や二人はいるかもよ?」
「あのね、そんな子いっぱい居るに決まってんでしょう?
だいたい、あたしを基本に比べてどうすんの」
あたしはオレンジジュースを口に注ぐ。
「まったく…」
奈緒美は小さく呟いたからあたしには聞こえなかった。
「あのね、その中から村野彼女作っちゃうかもよ?」
「ブハッ!」
オレンジジュースを吐き出す。
「ちょ!何やってんの?汚いなぁ、もう」
奈緒美はキッチンから台拭きを持って机を拭く。
あたしもティッシュで自分の口を拭いた。
(あいつに…彼女?)
考えただけで身震いがする。
「出来るわけな「わかんないよ?!」
奈緒美が台拭きをキッチンの流し台に投げる。
バンッという音とともに台拭きは流し台に落ちて行った。