ちぐはぐ遠距離恋愛



(あれで行けたら、もうちょっとは想像も膨らんだのかな)



パチンと音をたてて風船のように割れた想像の破片を頭から片付けた。


「高校の修学旅行にかけよう」


あたしは水を飲み終わった後、教室に戻った。





昼休み頃になって、気がついたけど……





遥菜の態度が、おかしい。



明らかにあたし、避けられてる。



「なんか、したっけ…」

「なんもしてないんじゃん?」


依弥の言葉にも首を傾げながらあたしはチャイムと同時に自席についた。



(………って)



授業中、後ろを振り向く。

遥菜の首が、慌てて横に向く。


何度、このやり取りをしているだろう。




さっきから





凄い視線を後ろから感じる。

最初は気のせいかと思った。

武道をやっている分、あたしは反射神経やなんやらがやたら優れているから―――

ちょっとしたことでも感じてしまう。


いつものように放っておいた。

……んだけど



あまりにも抜けない違和感。


気のせいなんかじゃない。


あたしは勢いよく振り向いた。

一瞬。



遥菜と目があったけどすぐに反らされる。



あたしはまた顔を戻すけど…やっぱり感じる。


振り向いて、逸らされて、顔を戻して、また振り向いて……。

こんなんばっかりだ。





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