ちぐはぐ遠距離恋愛
友達の存在
あたしの好きな人を知った人数が六人に増えた数日後。
あたしは未だに悩みつづけていた。
その理由も何もかも、奈緒美に追求されたおかげで全て口からでてしまった。
「ひど…遥菜ってやっぱり…」
奈緒美がショックをうけたように退けた。
確かに最近、遥菜の男好き疑惑が流れている。
あたしの話はそれを証明づけるようなものに他ならないのが確か。
ココロのどこかで、罪悪感がジワジワと生まれた。
「うち、遥菜嫌いになりそう…」
そう言った奈緒美の言葉を、あたしの罪悪感が跳ね退けた。
「そんなことは言わないで…」
余りにも悲しい顔をしていたのかは知らないけれど、奈緒美はハッとして口を押さえた。
「ごめんね?真白、こういうの嫌いだよね」
そう言ってくれた奈緒美に今度は微笑んだ。
(ちゃんと…わかってくれてるんだね)
「ありがとう、奈緒美。あたしのために怒ってくれるのも嬉しいよ」
「真白、かわいい!」
そう言って抱き着いてきた奈緒美。
その奈緒美の肩越しで依弥と舞が笑っていた。
「でもね、真白。諦めちゃダメだよ」
あたしから体を離して口にした。
今まで知らない、奈緒美の真剣な目だった。
「奈緒美……」
「どうするかは真白が決めるけど、うちは真白に頑張ってほしい」
「応援するよ」と励ましてくれた。
諦めるな……。
それは、親友の彩夏にも言われていた。