ちぐはぐ遠距離恋愛
だけど、交換ノート上での文字を見る度キリキリと詰め寄る真実。
『真白、今度あいつとゲーセン行かない?約束したんだ〜』
遥菜にとっては、善意なる行動かもしれない。
善意なる行動―――かもしれない……っ
それでもあたしは遥菜のことを信じられないまま。
あたしが諒太を好きだと知っているのにメールをすること。
あたしが諒太を好きだと知っているのにあいつに話しかけること。
あたしが諒太を好きだと知っているのに……あいつに触れること。
そのときの遥菜の目が嬉しそうで嬉しそうで…。
あたしは目を合わすことができない。
あたしは、あいつを遠いところから見ることしかできない。
悲しいほどに切ない片想い。
プツリと切れる赤い糸。
その存在すらないんだと思う。
運命的な出会い?
(…何それ)
所詮、人は人。
自分は自分。
できる人と、できない人。
選ぶ人と、選べない人。
世界は、不平等に回っているんだ。