ちぐはぐ遠距離恋愛
「りょ…ぃや、村野がカッコイイって、本当ですか?」
涙目になりながらも聞く。
「うん。ちょーイケメンだと思う」
「ま…じかぁ…」
葵先輩も言ってたし、
間違ってはないのかなぁ…。
「好きなんですか?」
「え?」
――――「えっ?」
あれ、今勝手に口が動いたんだけど、
(あたし…何言ったんだ?!)
「それって、ウチが村野くんのことを好きかって?」
「あ!いや、今のは違っ…」
あたしは慌てて手を振った。
(馬鹿だ!!自分!)
「好きじゃ、ないよ」
「え……っ」
「どうしたの、真白ちゃん。変だよ?」
「いや、ちょっとさっきので可笑しくなっちゃったのかもしれないですね……はは」
力無ーく笑うあたしに実奈先輩は首を傾げたまんまだけど、
あたしは「み、水飲んできます」とその場から足を出した。
水を口に含む。
冷たさがじんわりと喉を通って潤していく。
あたしは冷水機に手をかけて膝を曲げた。
「何ホッとしてんのあたし…」