ちぐはぐ遠距離恋愛



―――――次の日



「あ、真白。おはよー」

「おはよ奈緒美。舞は?」

「寝坊。朝迎えに行ったら琴に謝られたよ」

「はは」


「舞が謝りにこいよ!って感じ!」とブツブツ文句を言う奈緒美を横に

あたしは自分の部屋に荷物を置いた。


相変わらず重たい。
(いつか切れるんじゃない?)ってくらい。

教科書等を机に押し込んであたしは鞄を片手に教室に出た。

向かうはロッカー室。

ウチの学校は来年合併するため生徒が少ない。

一年生だけ三クラスだが、二、三年は二クラス構成だ。

だから教室も有り余るわけであって、

こうして一学年に一つ、『荷物置場』としてロッカー室が与えられ
生徒には一人一つ、ロッカーが常備されているわけ。


そしてこのロッカー室は運悪く馬鹿な男子共のたまり場になっている。

今日も朝から入口の反対側に群がっていた。



(暇なやつら)


そう思いながら、


あたしは自分のロッカーに音を立てながら鞄をてきとうに置いた。

教室に戻ろうと、踵を返した瞬間――――








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