ちぐはぐ遠距離恋愛
一年C組 榊原 龍之介 [さかきばら りゅうのすけ]君。
野球部所属。
くせっ毛の短髪で、長い足。
高杉先輩のような幼い笑顔で笑う。
「そっか榊原君…って言うんだ」
「はい」
「じゃあ、どうぞ?」
(いや、どうぞってのもおかしいか)
と思いながらも、あたしはそれ以上何も言わなかった。
「あの…」
「ん?」
「俺、ずっと先輩のこと見てました」
「うん…?」
(見てたって、あたしをだよね?)
首を傾げるしかできないあたしに榊原君は笑う。
「回りくどい言い方はダメですよねっ」
「うん。分かりやすく言ってほしいな」
「俺は………」
「おれは……?」
「真白先輩が好きなんですよ」
「ましろ先輩が………って」
え?!
「え、え、え??」
危うく同じ言葉を自分で繰り返すところだった。
途中で意味を理解する。
(榊原君が、あたしを?)
「榊原君が………あたし、を?」
気まずそうな顔して頷く榊原君。
これが噂に聞く、
―――“告白”?!―――