ちぐはぐ遠距離恋愛



バチバチと火花が見える。

依弥があたしに声をかけた。


「あの、こちらは?」

「一年の榊原くん……。昨日告られたの」

「え?!」


依弥が目を丸くする。

(そんなに驚かなくても……)


「やっぱり真白今年来てるね?」

「何が」

「モテ期」

「あー、そうかもね」


正直言って、今はそんなことどーでもいい。

もう気にするの疲れたし、無視だ無視。


「で?返事は」

「断ったよ。当たり前でしょ」

「やっぱ吹っ切れてない?」

「吹っ切れてる!ただ、好きじゃないだけ」


そう。

ただ好きじゃないだけ。

もちろん、あいつが好きで断った――なんて、有り得ない。

今のあたしには有り得ない………。



そう思ってたはずだった。




でも、あたしを庇うような姿に、
優しく微笑みかけるあいつ。

そんなの見たら、




誰だって、








“ドキドキ”しちゃうよ…………










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