ちぐはぐ遠距離恋愛



離れていた分、近づこうと思った。

また、笑いあえるって思ってたの。


でもそれは、一時の儚い夢にしか過ぎなくて
瞬く間に消えて行った。



あたしたちが離れていたのは二年間。

長かったけど、言葉にしてみたら本当に短い…そんな間だったのに。

たった二年間が、あたしたちの運命を変えたんだ。




その間に、知らない人になっていくことに耐えられないあたしはまだ必死に自分を抑えこんだ。


本当は、強がりなんかじゃないの―――。
ただ、どうにもできなかった
それだけで。



でも誰もそんなことには気づいてくれない。


そう思ってた。




でも、引っ越していたはずのあの子が、それに気づいてくれた。
――――いや、気づいちゃった。





『真白』って呼んでもらえなかった。



でも今は、



もう『大野』とも呼ばない。

あたしに何かある時は、『おい』とかそういう言葉で……。




あたしもまた強がって、『村野』って呼ばなくて。



だけど、心の奥ではまだ何かが引っ掛かってる。





もう一度、あたしは『諒太』って呼べるようになりたい。


そんなのが小さな小さな本当の気持ちだった。




でもその時には、






諒太、







あなたにももう一度、






『真白』って、呼んでもらいたいよ……。






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