ちぐはぐ遠距離恋愛
廊下を一人で歩く。
「真白ちゃん!!」
「わ…っ」
三年生の教室からいきなり出てきた先輩たち。
「な、なんかお久しぶりですね、高杉先輩…」
「そうだなっ!元気?」
先輩はそう言いながらあたしに詰め寄る。
―――ドクッ………
背筋に電流が走った。
あたしは一歩下がる。
「げ、元気です」
「そっか!あー、」
「へっ?」
「可愛すぎ!!」
ギュッと抱きしめられた。
なんとも言えない恐怖感があたしを襲う。
(っ…怖い…っ!)
目をつぶる。
「やめっ…「こら…!!」
次の瞬間、先輩はベリッと剥がされた。
立っていたのは、
「葵先輩!!」
救世主…っ
「ったくもう!あんたいつもこんなことしてんの?!」
「真白ちゃん大丈夫?」
ゆかり先輩となっちゃんがあたしに話しかけてきてくれた。
葵先輩は高杉先輩に説教中だ。
「分かった?付き合ってもない女性に抱き着いたらいけません!」
「真白ちゃんはまだ女性じゃ「失礼でしょ!」
葵先輩はなれた手つきで先輩を教室に引きずり込んだ。
「ごめんね…真白ちゃん」
「いえ……っ」
「こんなやつでもよろし「真白ちゃん!好きだーっ」
先輩の途中でノイズが入った。
あたしは苦笑いを浮かべながら自分の教室へ戻っていく。