ちぐはぐ遠距離恋愛
「それで…?結局どうすんの?」
「はい?」
頼ることを知ったあたしは、また疑問符を打たれた。
「どうすんのって何?」
「告んのか告んないのか聞いてるの!」
彩夏はその場でジタバタ仕出した。
「し、しないよそんなの!」
あたしは慌てて答えた。
(出来るわけがないっ!)
優香子は分かっていたように「だろうな」と頷いた。
でも彩夏は納得してくれないようで、ガシリとまたあたしを掴む。
「なーんーでー??」
久しぶりに彩夏の黒いオーラが見えた。
彩夏はたぶん、怒ると一番怖いタイプ。
「い、いや…っ!そのね、たぶん村野は……」
「村野は?」
「まだ、きっと…………」
そう、まだきっと――――――
「八重島さんが、好きだから……」
あの子のことを、私以上に想っているはず。
あたしが、追いつけることのないくらいに――
そしてあの子も、また村野のことを……
それは、分かっていたことで…
今さら、何をしようとしているわけではない。
どういう経緯があって、別れてしまったのかは分からないけど、
二人がもう一度、元の関係に戻るまでをあたしは遠くから眺めているだけ。
もう、これはあたしの中では―――決まっていたこと――だから
「真白は、本当にそれでいいの?」
「彩夏…」
「村野の幸せを願うことは、いいと思うよ?現に高杉先輩や、鎌瀬はそうしてるんだから。
でもね……?何があっても真白は真白なんだよ」
「…………」
彩夏が、何を言おうとしてるのかは何となく分かる。
それに、彩夏があたしのためにそうしてくれることも…。