ちぐはぐ遠距離恋愛
彩夏と話さないまま、数日間が過ぎた。
優香子とは会話もするけど、帰り道は舞ん家の方から帰っている。
ギクシャクした、嫌な雰囲気が漂う中、あたしは一人モヤモヤした気持ちで日々を過ごしていた。
「ただいま〜」
「お帰りねぇちゃん」
ゲームをしながら返事する凌を横目に、あたしは自室へ。
携帯のランプが、緑に光っていた。
メールの証拠だ。
朧げにその明かりを見つめた後、ゆっくり手を伸ばした。
受信内容は一件。
送信者は………高杉先輩―――。
『久しぶり、真白ちゃん。
部活は終わった?お疲れ様。
実はさ、またスイーツ王国の無料券を貰ったんだ。だから一緒にどうかな?
返信、待ってるから』
スイーツ王国。
……いつか、先輩に連れていって貰った夢の国。
先輩はもう部活は引退し終えているが、
仮にもあの人は受験生のはず…。
『あたしはいいですけど、勉強の方は大丈夫なんですか?』
そのメールの返信は、すぐに来た。
『返信ありがとう!携帯とにらめっこして待ってた(笑)
勉強はちゃんと頑張ってるよ。だから母さんが息抜きにってくれたんだ。
じゃあいつにする?』
携帯とにらめっこしている先輩が想像できて、あたしは思わず一人笑ってしまった。
文面からは、本当に優しさが伝わってきた。
(先輩は、今でもあたしのことを想ってくれているんだ…)
そう感じると、息がつまる。