ちぐはぐ遠距離恋愛
真白ちゃんもまた、彼のことが好き。
―――それは最初全然気づかなかった。
あたしが彼と付き合ってたことを真白ちゃんも知っていたはずなのに、
爽やかな笑顔でいつも挨拶してくれたから。
彼女はとても最高な女子。
明るくてかっこよくて、男子にも女子にも人気者。
スポーツも勉強も…パーフェクト。
美少女なのにサバサバしている性格はすごいギャップだけれど、そんなところもまた彼女の魅力だ。
(仲良くなりたい…)
それはいつしか本心になっていた…。
あたしがその彼女の想いに気づいたのは、
彼の視線を追う度、
彼女と目があうからだった。
それは偶然から確信につながる。
たまたまなんかではない。
真白ちゃんも諒太を見ているってこと。
そして時折見せるその表情に…
あたしには追いつけない距離(じかん)を感じた。
もしも本当に彼が真白ちゃんを今まで“恋愛対象外”として見てきたのなら…
彼女は一体どれだけ長い間、想いを押し殺してきたのだろう……。
そう思うと、背筋が自然に伸びる。
(怖い……)
耐えきれない重みだった。
そしてこんなもんじゃないことも分かった。
もっともっと、真白ちゃんは我慢してきたんだ――――
「どうして、認めないの?」
気づけば、彼に対してあまり感じたことのない感情が煮えたぎる。