ちぐはぐ遠距離恋愛
温かい感覚が体からサッと離れる。
「諒太くんありがとう」
凌があたしの代わりにお礼を言った。
「別に。あ…母さん」
「真白ちゃん大丈夫?!」
智春さんが部屋に入ってきた。
あたしは起き上がった。
「ちは…ゴホっ!」
智春さんは、はっとしてあたしの背中を摩る。
「ありが…と」
「ごめんね?」
あたしはまた首を横に振った。
「凌くん…真白ちゃん平気?」
「うん…もうすぐで治まるはず」
「そう…。夕南ちゃん、今日は帰って来れなさそうなの」
「あ、そうなんだ…」
「朝には着くらしいけど、あたし泊まっていこうかしら?」
「帰って平気だよ!」
あたしは智春さんに声をかけた。
「もうだいぶ楽になったし…。智春さん、今日はありがとう!嘉和さんと将ちゃんも待ってるよ」
「真白ちゃん…」
「諒太も…明日学校あるし!ね?」
「あぁ…」
「けほっ」
咳こむあたしを、智春さんは心配そうに覗き込む。
「大丈夫…」
あたしがそう言ったその時だった。