ちぐはぐ遠距離恋愛
ピリリリリ!!!
あたしと、智春さんの携帯……。
両方が鳴り出した。
智春さんが携帯に出る。
あたしはメールを見た。
「………っ」
また、遥菜からだった。
『真白大丈夫?諒太まだいるの?』
頭が痛くなる。
あたしは無意識に諒太を見た。
(何で、教えたのよ…)
あたしは37.9の熱があることも…、
諒太が家に居ることも、
誰にも言ってないよ。
なのにどうして遥菜が知っているのか…。
そんなの、答えは一つ。
あたしが熱を教えたのは、諒太だけ。
智春さんは除外として……。
諒太が、遥菜に教えてるんだ。
遥菜が、諒太に聞いてるんだ。
「真白ちゃん…じゃあ帰るね?」
智春さんが携帯を閉じる。
「嘉和が真白ちゃんには悪いけど帰ってきて…って。何かチロルがやばいらしいの…」
チロルは諒太ん家で買っている、トイプードルだ。
「大変!早く帰りなよ!!」
あたしは凌を諭して玄関に送らせた。
「バイバイ!気をつけてね」
「何かあったら連絡してね!!」
そう言って二人は帰って行った。