ちぐはぐ遠距離恋愛



奈緒美を必死に振り払う。
(……てか)


「いい加減にしろ!!」


あたしの怒りに奈緒美はサッと離れた。

それと同時に違うものがまーた抱き着く。


「真白ちゃーん、おはよーっ」

「葵先輩っ」


今度は葵先輩の番らしい。


「雪だよ?」

「そうですね」

「なんかほんと…」

「えっ?」


あたしは先輩を見上げる。


「カッコイイー!!」


もっと強く抱きしめられあたしは苦笑いをするしかなかった。

すると村野が横を通る。
それを横目で追いかけながら…あたしは微笑んだ。


「じゃあ俺もー!」

「はっ?ちょっ!!先輩はやめてください!」


葵先輩の反対側に来たのは、高杉先輩だった。


「いいじゃん。真白ちゃん気持ちいい!」

「なっ!!気持ち悪いっ!!」


今度は先輩の腕を必死に押しのける。

それと同時に前をみると、
村野が止まっていた。


(あれ…)


「おいアオ交代だ。どけ」

「はぁ?早いもんがちでしょ?!てか男は禁止!」

「うるせぇ!目の前から抱きたいんだ俺は!お前がそこにいたらお前まで巻き込むだろうが」

「じ、冗談じゃない!真白ちゃんにそんなことはさせないんだから」


なぜか今日は朝から人気者らしい。


「な、奈緒美ももう一回!」

「ちょっ、なおみん!!」


舞の呼びかけも空しく、奈緒美がまた後ろから抱き着く。

そこに生徒会活動の榊原くんが正面から出てきた。



(こ…これは…まさか……)



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