ちぐはぐ遠距離恋愛



と、いうわけで。
あっさり五人に話すことになってしまった。


「はぁー…」


彩夏が深ーく息をはいた。


「ここにくるまで疲れたよ。ほんと…」


優香子はあたしの肩を叩いた。

(…そうか)

考えてみれば、この二人はずっとあたしの恋を見てきたわけで…、
一緒に戦ってくれていたんだよな。


「今まで、ありがとう…」

「別れたりしたらキレるから」


どすの聞いた低い声で優香子が言った。


「大丈夫大丈夫。もうこの二人は別れないよ」


そうあやしたのは奈緒美で、あたしを見て笑顔になった。


「真白と村野は運命の相手なんだから」


満面の笑みを浮かべて言う奈緒美は乙女だった。

舞が「どこ情報?」と聞く。

言われた奈緒美は、ニヤリと口角をあげて、「占いで調べたんだ」と嬉しそうにいった。


「占い?!」

「そう。運命の相手探しの占い!」

「何で勝手に人を調…「本当に結ばれたってことは当たるんだあの占い!」

「奈緒…「ウチのも調べよ〜」

「あたしたちは毒味係かよ!」


笑いに包まれる空気。

昨日を思い出しあたしの頭は華やかになった。
こうやって全員で笑えた時間はたくさんあって…本当に楽しかった。


「でも昨日はホワイトクリスマスだったでしょ?いーな〜!ホワイトクリスマスでカップリングなんて」


奈緒美の言葉に彩夏は大きく頷いた。


「だよね〜!うらやましい!でも真白が長い間願ってたからだよ」

「えっ?」


彩夏があたしを見たから思わず疑問の声が出た。

『長い間願ってた』。
思い出すのは―――願っていれば叶うという言葉。

あたしを変えてくれる魔法だった。



< 416 / 420 >

この作品をシェア

pagetop