ちぐはぐ遠距離恋愛
言われた通りに舞の妹の部屋に入り着替えた。
男のような服だった。
スカートとかが似合わないような、シャツを着て黒いズボンを履く。
着替え終わったらもう一度舞の部屋に戻った。
「うわ!似合う〜!」
舞が手を叩いて喜ぶ横で依弥がドレッサーの前に座らせた。
笑顔で出てきたのは、
櫛と、霧吹き等を持った奈緒美で、後ろに立った。
「ちょ…」
「動かないでね」
奈緒美に顔を戻され、髪を弄られる。
「サラサラぁ…」と言いながら奈緒美はあたしの髪の毛を丁寧に梳かし、
だんご状に縛り上げた。
そして隠すように持っていたものを、
あたしにゆっくり被せた。
「これ…って」
「イッケメーン!!」
奈緒美は余った髪を完全にウィッグに入れ込んだ後、それを無造作にセットする。
そして、
あたしはあっという間に………
男子になっていた――――。