ちぐはぐ遠距離恋愛



あたしのツッコミに舞は爆笑。

そんな舞を睨みながらあたしは踵をかえした。



「…る」

「ちょ…っ、真白?」



依弥があたしに寄り添った。



「帰る!」



でもそんな依弥からあたしはサッと離れ、




一人夕方の公園から抜け出したのだった……。




(ありえない、ありえない…ありえない…!!)



あたしは早足で道を歩く。



これじゃあ、




あたしがもっと男として見られるだけじゃん。





それが、無償に悲しくて、どうにもできないような腹立たしさが胸から沸き上がる。




(やっぱり、ダメなのかな)




そう思っちゃう。


ここまでして、不公平な神様はあたしに恋を実らせないつもりなのか。



あたしは、
誰にも恋をしちゃいけないってこと………?



と、いうよりは―――




あたしは、


諒太を好きになっては、いけないってことなのだろうか……。





そのとき、頭に鋭い光がピシッと走ったように閃いた。




そうか――――。




そういうことなのね……?





神様は、―――いや、運命は。






諦めさせようとしているのかもしれないんだ。





あたしが、諒太を好きでいることを――――







< 50 / 420 >

この作品をシェア

pagetop