ちぐはぐ遠距離恋愛
彩夏との電話が終わり、あたしはリビングに出た。
正直、
彩夏が連絡してきてくれて嬉しかった。
彩夏は、あたしのことを分かってくれていた。
一番ホッとしたのは、
『頑張れ』
って、
・・・・・・
言わなかったことだった……。
だって、
あたしはもう頑張ってる…。
頑張ってるもん……。
彩夏は逆に、『よく頑張ったね』って言ってくれた。
「うわ……」
たてかけてある鏡を見てあたしは目に触れた。
それは真っ赤に腫れていた。
洗面所に行き、目を濯いでもあんまり効果はなかった。
だけど、
顔を洗って、
何となく踏ん切りがついた。
「大丈夫……」
いつもの生活に戻るだけだよね。
別にやましいこととかしてたわけではない。
諒太を好きにならなくったって、
生活が一変するわけでもない。
大丈夫………。
お疲れ様でした―――。
もう、
終わりにしよう……真白。