ちぐはぐ遠距離恋愛
「え?え?」
思わぬ登場に口が塞がらなかった。
「ごめん…いきなり」
「いやいや!!」
「ハハっ!そっか…。久しぶりだね、真白ちゃん」
「うん。どうしたの?」
「ちょっと母さんに頼まれてね。諒太、いる?」
「えっ」
胸がズキンと傷んだ。
「あれ…、いない?」
「いや、あの…」
何も言えなくなって、あたしは目をキョロキョロ動かした。
(よ、ようするに……)
将ちゃんが言いたいのは…
「よ、呼びに行けと…?」
「うん…」
心の中であたしはがっくしうなだれた。
「分かった…。呼んで来るね」
でもそんなことは見せられなくて、あたしは頷いてしまった。
「よろしくね」
そんでもってそんな王子様スマイルを見せられたら………っ!!
(断れないじゃない!!)
キラッキラスマイルで見送られて、諒太を探しにいった。
廊下で戯れてた男子の中に諒太を発見した。
「あの、諒太…」
「あ?」
諒太の視線があたしに向けられる。
(ドキドキするな!)
心臓を空気で押さえ付けた。