ちぐはぐ遠距離恋愛



「じゃ、諒太よろしく。真白ちゃんもありがとう!じゃあね」

「おぅ」



階段を降りてく姿もさまになっている。


そんな背中をずっと眺めていたあたし。



男好きで有名な先輩が将ちゃんの元へ走っていった。



「あの、どなたですか?!」
「高校生ですか?」
「メアドを――――」



(なんでだろう)




何か、



ものすごく――――





イライラする………っ!




「将ちゃんっ!!!!」






気づけば声が出ていた。



将ちゃんが振り向いてあたしのもとへ。




「どうした?」

「お、送る!」



あたしはそのまま将ちゃんの手を引き、違う階段を駆け降りた。




でも、一切振り向けなかった。




だって、





諒太が不機嫌な顔をしているのが、目に見えたから――――。






「真白ちゃん?」

「あ…」



校門に着いたとき、将ちゃんがあたしを覗き込んだ。



「……っ」

「ありがとう、ここでいいよ」

「あ、そうだね。またね」



(一体ぜんたい、何をしているの?!)



「じゃ、じゃあね」




あたしは将ちゃんの手を話して昇降口に向かった。




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