ちぐはぐ遠距離恋愛



そんなこと思ってどうすんの!!!


今はそんな場合じゃないでしょ…っ!




頭を横にブンブン振る。




「大野さん?」




国語の教師があたしに声をかける。



「あっ、何でもないです」



慌てて否定した。




そんなこんなで昼休み――




だけど、未だに頭から離れないあいつ。




(誤解なんて……されちゃダメでしょ)




だって、好きな人にされちゃったら……。





好きな、―――人?




これも、違うんだった。





好きな人なんかじゃないんだっけ……。




諒太は、ただの幼なじみで―――。

ただの、幼なじみ……っ





『お前っ…』





あの優しさはさ、


そう、幼なじみだからだよね。



ただ単に、目の前にいる人を助けただけで…。





何にもないのに、





(何にも、ないのに……っ!!)







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