ちぐはぐ遠距離恋愛
小さく、だけどしっかりと出てきた言葉は舞だけに聞こえた。
「まっしー大丈夫?」
「………っ」
舞があたしの背中をさすりながら尋ねる。
(大丈夫じゃない…)
って、本当は言いたいところだけどあたしは笑って「平気」って言った。
何が平気なのか、
自分でも分からないけれど……。
「できないって、何?」
「えっ?あぁ、それは……ちょっとお母さんに頼まれたことがあって」
「ずっと…悩んでたの?」
「あ、うん」
「そっか、お疲れ様」
「ハ、ハハ…っ。うん、ありがとう」
舞のホッとしたようなため息にあたしは癒された。
もう、この話は終わりにしよう。
やっと区切りをつけられる。
そのうち、忘れられるはずだよね?
きっぱり諦められるなら別にいくらかかってもいい。
そのかわり、
あたしを諒太の側に居させてほしい。
恋人とか、そんな関係を望むわけじゃない。
ただ単に、“幼なじみ"として、
“家族ぐるみの付き合い"として、
あいつの近くにずっと居られることができるなら、
それでいいんだ………。
だから、
お願いします、神様。
どうか、あたしを……
嫌いにならないで――――