ちぐはぐ遠距離恋愛



そんなことがあってからも、高杉先輩はあたしに話しかけることを止めなくて…。

諒太はそれを見る度イライラしている感情。


(…って、何であいつがイライラしてんの?)


まぁこんな感じで疑問も生まれたわけであったりする。



「真白ちゃん、大好きなんだね」

「はっ?」



葵先輩が校庭を見下ろしながら言った。

あたしは諒太を目で追っている最中だったからもうビックリ。



「別に好きじゃ「コウがね?」

「高杉先輩?」



葵先輩はあたしを見て微笑んだ。



「コウもクラスの女子に問い詰められてたんだよ、真白ちゃんのこと」

「え゙ぇ…」

「悪口言った人もいるんだけど、コウがそれを怒っていた」

「先輩が…?」

「真白ちゃんは、その気じゃなくても、今コウは恋してる顔なんだよ」

「………」



そんなの、あたしの知ったことではない。

それでも……。




「真白ちゃーん!!」




元気に、本当に幸せそうに笑いながら手を振って来る先輩。

今までは冷たくあしらって、返事なんてしなかった。

だけど、今の葵先輩の話もあって…、


あたしは気づけば、手を振り返していた。



それを見た先輩の顔は、パアッと明るくなって太陽のような笑顔でまたあたしに手を振る。



「真白ちゃん!頑張れー!!」



拳を突き上げて大声で叫んだ。


口角が緩む。
あたしは……、
思わず微笑んでる。




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