ちぐはぐ遠距離恋愛
「カッコイイね、高杉先輩!」
「はぁ?」
彩夏の趣味がイマイチよくわからない。
あんな変人のどこがいいのか。
「知らないの?真白。高杉先輩は後輩にモテるんだよ」
「ブッ…」
飲みかけていた麦茶を吐き出した。
「そうなの?」
葵先輩が彩夏に聞く。
「はい!特にあの笑顔が皆素敵だって言ってます!」
(あの笑顔って言ったって、子供っぽいだけじゃん…)
と、思っているのはあたしだけみたいで、
「キュンときちゃうんです…ッ」
めろめろの顔で呟く彩夏にあたしはため息をつく。
(だから高杉先輩が教室に来たときあんなに騒がしくなったのか…)
ナゾ解明だった。
「てかすっかりカップルだね」
そう言ったのは優香子。
「付き合ってない!!」
「だって頭に手置かれてたし」
「頼んでないもん…っ」
「照れるなって」
「照れてねぇよ!!」
葵先輩がまぁまぁと宥める。
そして数時間後―――
結局、彩夏が約束しちゃったもんだから仕方ない。
あたしたち三人は、六時から開始の公園に、六時十分前に到着した。