もう一人の花嫁……
4(男)
永遠の愛を誓うその時、俺のまるで考えていなかった最悪の出来事が襲った。
これから幸せを共に築いていくはずの愛美が……
愛美が……
刺された
崩れ落ちた愛美を抱え必死に声を掛ける。
『愛美!愛美!しっかりしろっっ!』
真っ白なドレスが次第に紅く染まっていく。
『史郎……さ…ん……大丈夫……だか……ら……』
俺の腕の中で力なく微笑む愛美。
『愛美ぃぃぃ−!!』
虚しい俺の悲鳴がチャペルにこだました。
係員が飛んできて、俺から愛美を引き離そうとした。
そんなことはいいから……
早く!早くアイツを愛美を刺したアイツを捕まえてくれ!