ウサギとハゲ、もとい社長
「ぶぅ〜」
あたしに巻き付けていた両腕を渋々、といった風に外す。
離れるついでにハゲろ。
「何なんですかお茶ですか?」
「あ、違うわ。
うさぎちゃんとお喋りしたくて
「ウサキです。
お茶ですね」
「いや、ちが…
「お茶、今すぐお持ちしますので少々お待ち下さい」
「……うん」
その返事を聞いて給湯室に足を向ける。
数歩進んだところで気付く。
あ、そうだ、お茶の前にもう1つ言わなければ。