無口でクールな転校生。
ドアのほうを見ると、そこにはクラスメートの山口が立っていた。



「…おぉ、お前もサボりか?」



なんて話しかけてみたものの、山口から返事はない。



ただ無言で俺を見つめている。



心なしか、少し怒っているように見えた。



「俺さ……笹本に告ったんだ」



ドクンッと心臓が脈を打つ。




「え、いつ?」



「今日の朝」




あぁ、謎が解けた。



だから笹本さんは今日、早く来てたんだ。



だからあんな元気がなかったんだ。


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