無口でクールな転校生。
「なんだお前。」



博明が俺を冷たく睨みつける。



「あなた……っ」



笹本さんは驚いた顔で俺を見た。



俺は真っ直ぐ博明を見つめて、

「笹本さんを話せ、嫌がってんだろ」

と笹本さんのために博明を説得した…つもりだった。



でもそれは逆に笹本さんの怒りを買ってしまった。



「あなた何言ってんの!?何も知らない人が勝手なこと言わないで!」



“何も知らない人”



笹本さんの言葉がグサッと心に刺さる。



あぁ、そうだよ。

2人の間に何があったかなんて、知らねーよ!

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