無口でクールな転校生。
「ただのクラスメートなのに、普通ここまでする?ホントはお前も、沙優のこと好きなんじゃねーの。」



「違う!…でも、普通のクラスメートより特別な存在だ」



自分で言って、ドキドキした。



“特別な存在”


ここまで言うつもりはなかったんだけどな。



でもホントだ。



だって笹本さんは転校してきたばかりなのに、俺のこと色々と助けてくれた。



前から一緒に同じ教室で過ごしてきた奴らよりも、特別で大切な存在なんだ。



「…!」



笹本さんは言葉に詰まった様子で、でも恥ずかしそうに俺を睨みつけた。


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