無口でクールな転校生。
俺は雛ちゃんの腕を掴み、引き離した。



「ごめん、俺彼女いるから」



そう言えばさすがに諦めてくれるだろう、と思った。



雛ちゃんは目を見開き、俺から離れた。



ほらね。


彼女いるからって言葉、便利だよなー。



「じゃあ俺急いでるから」


早くしないと、アイツらどっか行っちゃうし!




「あたし…諦めませんから!」



なぜか敬語でそう宣言してきた。



………しつこいな。


彼女いるっつってんだろーが。

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