盲目の少女 〜私の見える世界〜
___ ___
___お母さん___
先生と話した後、しっかり涙を
拭きとって
部屋を出た。
ロビーへ行くと看護師の人が不安そうに一人で立っている。
「遅くなりました。あの、
海輝は?」
「ついさっきトイレへ行って、
もうすぐ返ってくると思うんですが…」
「一人でですか?」
「あっはい。申し訳ありません。
ついていくと言ったのですが、
“一人で行ける”と言いきって
いましたので、すみません。」
「いえ、いいんです。もぅ、
お姉ちゃんになってから
全部一人でやりたがるんで。」
看護師さんが申し訳なさそうに
してると、海輝が角を曲がってきたのが
見えた。
「海輝!」
「あ、ママ!」