盲目の少女 〜私の見える世界〜


「もぅお話終ったの?」


こっちまで来て尋ねてきた。



「終ったよ。何持ってるの?」


海輝は何かを大事そうに
手に包み込んでいる。



「これ、ママにあげる。」


小さな手で差し出されたのは、
海輝の手の平と さほど

大きさの変わらない花。



「これどうしたの?」



しゃがみこんでマジマジと
眺めてた。


「お庭に咲いていたの。
たくさん咲いてて綺麗だったの。
だから、お花さんに頼んで
一つだけもらったの。

…赤い、かわいいお花」


赤色って知ってたんだ!


軽く私は微笑んだ。



「海輝、ありがとう」



海輝のもってる花がつぶれないように、
優しく海輝を抱いた。




その花は、
花びらがヒラヒラとついた、
真っ赤な

ガーベラ。


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