盲目の少女 〜私の見える世界〜
\赤ちゃん/
「遥翔、お兄ちゃんになったね」
「僕お兄ちゃん!やった〜!みき、
お兄ちゃんだよ」
家のソファーに座るお父さんとお母さん、
その間に抱かれてる、
羽金 海輝 ハガネ ミキ。
海輝は二週間前の8月8日に生まれ、
身長体重共に平均で元気だったが
医者との話を終えて、やっと今日家に帰ってきた。
そんな海輝を、5歳の遥翔は
父さんの膝の上から覗き込むように
近づいて見ていた。
「みきちゃん、兄ちゃんだよ!
ほら、ニコッニコ」
遥翔は海輝のほっぺをツンツンと
突っついている。
「遥翔、ママとパパから大切な
お話があるの」
急に真剣になった二人の顔を遥翔は
ゆっくり見上げた。