盲目の少女 〜私の見える世界〜
ママは子犬に近づいて、
指先で撫でてる。
それにつられて
皆子犬たちに近づいた。
兄ちゃんが茶色い子犬を
一匹抱っこした。
「かわいいでしょ?」
…んん?
どっかで聞いたような気が‥‥
まいっか。
「すげー可愛い」
黒いまん丸の目で、じっと
一点を見据えて、
まだ親犬より筋肉が少なくて
やわらかい体を 遥翔は
両手で抱いている。
「この犬種、なんてゆう犬種なの?」
「ドーベルマンってゆうの」