盲目の少女 〜私の見える世界〜
\色と形/
それから早すぎるくらいに時間はすぐにたち、
気づけば5年が過ぎていた。
「遅刻するわよ遥翔、早くしなさい」
「わかってるよ。行ってきまーす」
「いてらっしゃい、気をつけてね」
パンをくわえて家を出てくその素早さに
目がついて行かず、
海輝とその妹 紅葉は首を左右に振りながら
手を振った。
紅葉 モミジは2年前の秋に生まれた子。
ちなみに遥翔は桜が満開の4月で、
海輝は太陽の眩しい夏。
3人とも季節に合わせてつけられた名前。
「今日は3人で海に以こっか」
「行く〜!うに〜」
「うにじゃなくて、うみ」
紅葉はまだ2歳だからまだ言葉を
はっきり話すことができない。
そこがまた、愛らしい。
今日父さんは仕事で朝早く出て行っていないから
今は女3人。