盲目の少女 〜私の見える世界〜


その後3人でいっぱい遊んだ。


膝まで水につかったり、砂でお城作ったり、体を埋めあったり。



時間が過ぎてくのも忘れて、気づいたら、
夕日が空を照らしてて。



はしゃぎすぎて疲れた体を3人肩を並べて浜辺に座った。



波の音。潮の香り。海の輝き。


全てが海輝にとって新鮮で、気持ちよかった。



「海輝」


呼ばれてママの目を見てみると、
夕日の光でなのか、目がうるうるしてるように
見えた。


「海、青かったのに今は、赤色でしょ?」


「これは赤色。空も赤色」


「そう。海はいろいろな色になる。表情もあるのよ。」


「じゃあ笑うの?」


「笑うよ。笑ったり、泣いたり、怒ったり」





海輝はじっと海を眺めた。
< 8 / 29 >

この作品をシェア

pagetop