「愛なんかいらない」




視界の片隅に二人はいた。
微笑みあって、雨に気づいた彼女は
かばんの中からかわいらしい小さな傘を取り出して・・・。



傘の中、肩を寄せて。
彼は彼女のために自らの肩をぬらして。




私が、彼の恋人の筈なのに。



二人が、恋人同士に見えた。




それでも私は何も言わなかったわ。
追いかけも、しなかった。
次会ったときも、普通に接して、





あぁ、わかってる。






彼女たちの言っている通り。
もう、私は結構な歳だ。
あたしの友達は、みんなみんな
結婚していく。
つい去年まで独身だった友達が
我先にと結婚結婚結婚ラッシュ。
もう、婚期逃したのだってわかってる。




歳でも、恋したい。



結婚だってして、家庭を築きたい。




そのためにこーみえて
料理教室にも通ったし!
家事全般イケるのに!



・・・・・私って、馬鹿なオンナ?










< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop