若恋【完】


正面玄関前に車を停め、榊さんが先に降りてわたしの横のドアをあけた。

ピクッ
榊さんが反応しわたしを目で制してドアをまた閉めた。

「榊さん?」

バン!
パン!パンッ!

いきなりの空気を引き裂く乾いた音。
榊さんがスーツの内側に腕を入れ吊っていた銃を引き出した。

な?なに?
何があったの?

「乗れ!榊!!」

仁お兄ちゃんが血相を変えて叫んだ。

「×××××××」

「いいから乗れ!!!」

「榊さん!」

「バカ!りおは出るな!」

仁お兄ちゃんの声を無視してドアを開けようとしたけど開かない。
窓も下げられない!


「やだ、開かない。榊さん、乗って!!」

お願い乗って!
じゃないと撃たれて死んじゃう!!

「榊さん!!」


< 121 / 417 >

この作品をシェア

pagetop