若恋【完】



制服の下の身体を奏さんが傷がないかとひとつひとつ確かめる。

「ここに…俺の命のすべてがある―――おまえに何かあれば…」

奏さんの声が詰まる。
小さく震える指がわたしの肌に触れる。

「もし…おまえが俺の前からいなくなるようなことがあったら」

その時は。
そのときは?

無言でわたしの背中に腕を回して抱き締めた。

「奏さん?」

「誰にも、…おまえの指一本、髪一筋触らせたりしない」


強引に引き寄せて髪先にくちづける。
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