若恋【完】
人質〜声がする方へ〜
―――りおを心配させたくない。
りおの両親にこっそりと頼まれたこと。
それは龍神会に囚われた娘を助け出してほしいと泣きながらの電話が発端だった。
「必ず助け出しますので安心してください」
りおが一番大事にしている家族の絆が俺のそばにいて、俺と関わってることでめちゃめちゃになっていく。
「どうか、娘を…ひかるを助けてください」
電話の向こうでりおの母親がすすり泣く。
全部、俺のせいだと自分でもわかってる。
自分の身勝手でりおを手元に置いて自分のものにして、一般人でヤクザの世界とは無縁だったりおの家族をも巻き込んでしまったのもわかってる。
いずれ、こんなこともあるかもしれないと、りおと出会った時から恐れていたことだ。
電話を切ってすぐに、俺の携帯に非通知の着信が。
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