若恋【完】

｢お嬢さんは12時にわたしがここから連れ出します｣

丸井が俺を奥の部屋に通すとこっそりと耳打ちした。

｢その３０分後に大神さまを迎えに参りますので｣



｢―――あんたは？｣



｢わたしのことは大丈夫です。隣の部屋にはお嬢さんがおりますがわたしがついているので心配はいりません。わたしが責任を持ちます｣

しっかりとした口調に安堵する。



｢彼女はともかく俺を逃したらあんたがどんな目に合うかわからないだろう｣

そう言いソファーに座り見上げる。



｢そんなのはいいんですよ｣


｢？｣

｢わたしは殺られたりはしませんので大丈夫。｣