若恋【完】
「!?」
「!?」
向こうのドアをふたりが開けたのと、丸眼鏡さんがふたりに向かって発砲したのと同時だった。
「人が来る前に早く!」
向こう側にひとりはパタリと倒れた。もうひとりの男が懐から何かを取り出してわたしたちに腕を突き出した。
わたしたちを奏さんの部屋に行かせるために丸眼鏡さんがゴツい男に踏ん張り対峙する。
「一緒に行きましょ!」
わたしが手を差し出すと丸眼鏡さんが小さく笑った。
「わたしは後で、」
「でも、!」
「りおさん、とにかく若のところに行きましょう」
ぐいと、引っ張られてわたしは振り返る。
パンパン
「丸眼鏡さん!」
丸眼鏡さんが息を詰めてわたしを見ると同時に。
丸眼鏡さんの唇の端から赤い筋が流れた。