若恋【完】



「無茶したかな」

「…そんなことないよ」

優しく髪をすいて額にキスをする。



いつまでもこうして寄り添っていられたらいいのに。ずっといつまでも二人きりの時間が続けばいいのに…


そんな甘い時間が早く過ぎて。




時間になると毅さんと仁お兄ちゃんが朝食だからと迎えにきた。



「りお、風邪の方はいいのか?具合は悪くないか?ちゃんと薬を飲んでるのか?」


早口鉄砲の仁お兄ちゃん。


「やだなあ、大丈夫だよ。具合もすっかり良くなったし」

「そうか?ならいいんだけどな…」

仁お兄ちゃんは心配そうにわたしをみた。


「仁さんは妹が心配だって言ってソワソワしてまるでクマみたいに歩いてばかりいたんですよ」

「…クマみたいに?」


聞き返す。
なんとなくそんな気がしたのよね



「仁らしいな」


そばにいた奏さんも笑った。



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