若恋【完】

わたしの両手をグッと握りお母さんがわたしを見てから奏さんとお父さんを振り返って恨みがましい目を向けた。



「あなたも、奏も教えてくれなくて、たった今成田から聞いたのよ。ひどいわ。わたしだけのけ者にして」

ふたりに愚痴ってからお母さんはぬいぐるみに抱きつくようにわたしを抱きしめた。



あ、あの。ちょ、お母さん?


「ごめんなさいね。お腹に赤ちゃんいるの知らなくて」


力強い鼓動が聞こえる。

お母さんは何も謝ることなんてないのにわたしになんで謝るの?



「わたしが奏を盗られたくなくて反対していたのよ」

反対?

玄関でご挨拶したときには反対しているようには見えなかったけど…


「末の子はかわいいって言うでしょう?早くに家を出てしまったせいもあって、女性を…まだ高校生を連れてくるって聞いても納得できなかったの」




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