若恋【完】
「今日の大神物産のクリスマスパーティーは確かに危険は少ないと思うが…」
「だろ?だから、仁はりおにつけ」
「なんか気になることでもあるのか?」
仁お兄ちゃんが眉を寄せた。
「ない。」
「だったら」
いい募ろうと、仁お兄ちゃんがした時。
「りおが心配なんだ」
「え?」
わたしが驚いた。
「控え室に戻っても目を離すな」
「…奏さん」
毅さんも仁お兄ちゃんも驚いた顔をしていた。
わたしもふたりにこんなに切ない表情をしたのを見たことがない。
「わかった」
わたしも仁お兄ちゃんも毅さんももう何も言えなかった。
わたしを誰よりも心配する奏さんがいた。